これまで、ご自身の資産・負債を貸借対照表(バランスシート)作成して、預貯金や有価証券、生命保険をどうすれば良いのか?を見てきました。今回は、不動産ということで、自宅や貸家をどのように活かしていくか?をお伝えします。

① 自宅をどうするか?

自宅については、資産というよりも住むためのものと考えがちです。また、長年住み慣れたところを離れるのは嫌だと考える方も多いでしょう。よって、なかなか売るという選択肢はないかもしれません。しかしながら、例えば子供が独立して、夫婦2人になった場合、家についてはコンパクトな方が良いと考える方もいます。一軒家よりもセキュリティーの効いたマンションが良いと考える方もいらっしゃいます。自宅の売却や買い替えについては、税制上の優遇措置もありますので、一つの選択肢として考えてみることも良いのではないでしょうか。

また、老後のお金を捻出する方法としては、リバースモーゲージという制度もあります。これは、今の自宅に住み続けながら、金融機関からお金を借りることができる制度です。

具体的には、自宅を担保に融資を受けて、死亡時などにその担保の自宅を売却して清算する制度になります。昔であれば、お金を捻出するためには家を売るしか方法はありませんでしたが、そうなると住む家が無くなるという大きなデメリットがありました。が、このリバースモーゲージを活用することで、住み続けながらお金も入ってくるので、メリットは大きいと思います。担保となる不動産には条件がありますし、金利負担もありますが、お子様のいらっしゃらないご夫婦などには活用価値が大きいと思います。

リバースモーゲージのメリット・デメリット

リバースモーゲージのメリットとデメリットをまとめると以下の通りです。

 (リバースモーゲージのメリット)
① 自宅に住み続けながら生活費等の融資(投資や事業資金は除く)が受けられる。
② 元本の返済は不要。
③ 自宅に住み続けることで、住む場所の確保や賃貸による家賃の支払いの心配が不要

 (リバースモーゲージのデメリット)
1. 物件によっては融資が受けられない場合がある。
2. 物件は、首都圏や大阪などのエリアが限られるケースが多い。
3. 融資額は、担保価値の50%程度が多い。
4. 年金等の安定収入(月額10万円程度以上)が必要。
5. 金利が3%程度と若干高め。
6. ある程度の金融資産の保有が必要な場合もある。

以前は、一部の銀行のみが取り扱いをしていたリバースモーゲージですが、最近は、メガバンクや地方銀行や信用金庫などもリバースモーゲージの取り扱いをしております。選択肢が広がることは好ましい状況です。また、商品の改定(改良)で以前よりも利用しやすくはなってきました。ただ、安定収入が月額10万円以上やある程度の金融資産を求められるなど、ただ単に自宅を保有しているだけでは活用ができないという難点もあります。今後の更なる改良に期待したいところです。

② 貸家をどうするか?

貸家については、定期的に賃料が入ってくるため、老後の収入源として期待できます。一方で、空室になった場合、管理費や修繕積立金が持ち出しになるなどのデメリットもあります。また、ローンが残っている場合には、その返済も考えなければならないため、老後の賃貸経営についてはよく考える必要があります。現役時代であれば、貸家で収支マイナスでも給料等で補うことができますが、老後はそうはいきません。

今一度、お持ちの貸家の収支がどうなっているのか?を検証し、マイナスが続くようであれば、売却することも一つの手段ですし、売却して優良物件に買い替えする手段もありますので、考えてみることが大切です。
 
あと、リゾート地や地方に不動産をお持ちの方もいらっしゃると思います。特に毎月の管理費や修繕積立金を払っている場合には、本当に保有する価値があるのかどうかを再度考えてみましょう!
売却価格は、低くなったとしても毎月の管理費や修繕積立金等の支払いが無くなるメリットも今後の生活には大きく影響していきます。

最後に、家については金額的にも、今後のライフスタイルについても非常に大きなことになります。ご夫婦で考えることは当然のことですが、将来受け継ぐお子様とも一緒に考えていくことが非常に大切です。

この記事の筆者

谷口 哲男

1976年元旦 香川県善通寺市出身。松山大学経営学部卒
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP、宅地建物取引士
学生時代をずっと四国で過ごした四国人。
中学時代から資産運用に興味を持ち、「円安になったら貯金が増える」ことを知り、円をドルに換えた経験を持つ。
大学時代に四国初の大学生FP資格者になり、証券会社勤務。
その中で長期・分散投資の効果を体感し、独自の運用法を実践中。
現在は、税理士法人グループにて、ファイナンシャルプランナーとして個人の人生設計を会社経営と同様に捉えた「人生経営コンサルティング」と手がけている。
◆「もう困らない!老後のお金」共著 2016年 宝島社
さいとう税理士法人・(株)ベネフィックスエフピー
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