元気長寿・健幸華齢な人生を実現(達成)するには、若いころからの賢い生き方、そして高齢期での老い方の上手さが求められます。大きなケガをしない、取り返しのつかない事故に遭わない、リテラシーを向上させて賢く医療を受ける、といったスマートライフの構築が肝要です。

リテラシーの向上が健幸華齢な人生につながる

健康で長生きしたい、寝たきりにはなりたくない、がんや認知症にも罹りたくない・・・といった願いは万民に共通です。
 しかし、がん、心臓病、脳卒中、認知症などの病気が宿って人生を閉じる人が9割です。一切病気に罹らず、長命な人生を送れる人は1割にも及びません。日々の生活において生き方・老い方が上手で、かつ適正に医療を受けることができれば、要介護や寝たきりの期間は短くて済むことでしょう。そのための日々の心がけを表1に示します。

 リテラシーとは、与えられた多種多様の情報から自分に合った必要な材料を引き出し、効果的に活用する力と定義できます。

  メディアリテラシー   テレビや新聞など、メディアからの情報を見極める力
  ヘルスリテラシー    健康情報を適切に理解し、効果的に利用する力
  メディカルリテラシー  病気や医療の実体を読み解き、正しい知識をもつ力

 製薬会社は薬の安全性ととともに副作用をも記載し、症状の緩和に向けた有効性を伝えています。健康食品会社は、商品が薬でないため副作用が生じないことを利点とし、体脂肪の燃焼、筋肉の増大、血圧の降下、血糖の降下、関節痛の緩和などを訴求しています。有名な芸能人、一流のスポーツ選手、一般人など、それぞれの訴求に適した人を広告塔にして、許容される範囲内で最大限のアピールをしています。そのようなメッセージに啓発され、多くの国民が多種多様の薬や健康商品を利用しています。その一方で、中高年者のほとんどは年々、体力の低下、関節痛の増加、毛髪量の減少、白髪の増加、記憶力の低下など、自然な生理的老化の進行を自覚していることでしょう。肝要なことは、リテラシーの向上を図り、若返ることは不可能でも、老化の進行にブレーキをかける心がけです。
 全8回にわたり健幸華齢(けんこうかれい)について、様々な視点からお伝えしてまいりましたがいかがでしたでしょうか。超高齢化時代においては、日々の生活の多局面で、適切な栄養摂取、身体活動、休養・睡眠、社会交流、必要に応じた受療、そしてリテラシーの向上などに努めなければなりませんが(表1)、食べる喜びや運動の楽しさを、仲間や家族と共有しながら、人生をエンジョイしていきましょう。

この記事の筆者

田中 喜代次

筑波大学体育系・教授(スポーツ医学)。アメリカスポーツ医学会評議員、日本健康支援学会理事長、日本体力医学会理事、株式会社THF代表取締役社長。
1983年より肥満者の減量支援活動を、1990年より虚血性心疾患・高血圧などの循環器疾患者に対する院内運動療法を今日まで継続している。健康寿命の指標である「活力年齢」の提唱者である。2008年には、中高年者の運動プログラム作成の功績に対して、秩父宮記念スポーツ医科学賞、2010年には平成21年度筑波大学教員業績評価においてBEST FACULTY MEMBER、2013年には筑波大学つくば地域連携推進賞最優秀賞を受賞している。
■筑波大学発研究成果活用企業 株式会社THF
 〒305-0005 茨城県つくば市天久保2-14-2 つくばイーストビル302
■HP http://thfweb.jp  ■お問合せ support@thfweb.jp
■筆者が考案した減量支援法「スマートダイエット」が学べる講習会を平成29年8月5日(土)に都内で開催!
http://www.thfweb.jp/01overview/NEWS01.html