10日間のベッドレスト(全く動かない生活)により、筋量は-3%(-1.6 kg)、筋力が-16%も減少(米国医学会誌, 2007)します。この3%は一般的な加齢の6か年分に相当するため、運動不足の危険性は甚大です。
運動不足が続くと、スピードやパワー発揮に関与する速筋線維の減少が加速し、若いころの活発な動作の遂行が困難となります。

低体力・少筋量だと、転倒リスクは女性で2倍、男性で4倍、日常の生活機能に支障が出る確率は男女ともに4倍程度とされています。

健幸華齢社会の構築に向けた自助努力のあり方

転倒骨折の原因は筋力やバランス力など体力の低下との認識が一般的ですが、自然環境の変化や周囲の状況に応じて、臨機応変に対応(適応)する意識・行動力を持つことも肝要です。

例えば、向(抗)精神薬や睡眠導入剤、血糖降下薬、降圧薬などを服用していると、筋肉弛緩作用、めまい、ふらつき、集中力減衰、低血糖、低血圧などを起こしやすく、転倒事故や交通事故を招く確率が高まります。

落ち葉が積もっているコンクリート上でのジョギングは、非常にスリップしやすく、筋力やバランスが抜群でも転倒防止は困難です。このように、運動・スポーツ以外の重要な留意点(図1)をしっかり認識しておくとともに、対応策を即座にとれる態勢が必要です。

この記事の筆者

田中 喜代次

筑波大学体育系・教授(スポーツ医学)。アメリカスポーツ医学会評議員、日本健康支援学会理事長、日本体力医学会理事、株式会社THF代表取締役社長。
1983年より肥満者の減量支援活動を、1990年より虚血性心疾患・高血圧などの循環器疾患者に対する院内運動療法を今日まで継続している。健康寿命の指標である「活力年齢」の提唱者である。2008年には、中高年者の運動プログラム作成の功績に対して、秩父宮記念スポーツ医科学賞、2010年には平成21年度筑波大学教員業績評価においてBEST FACULTY MEMBER、2013年には筑波大学つくば地域連携推進賞最優秀賞を受賞している。
■筑波大学発研究成果活用企業 株式会社THF
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■筆者が考案した減量支援法「スマートダイエット」が学べる講習会を平成28年2月25日(土)に都内で開催!
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